AVATAR感想。

AVATARの(割と偉そうな)感想。ネタバレしますので、まだ見ていない方はご注意を。で、書き終わってから気付いたんだけど、俺次の用事があって、エンドロール最後まで観てないんだよなあ。もし最後の最後になんらかのメッセージがあったとしたら、割と的外れな感想になるかもしれないっす。











AVATAR、TRAILERでもなかなか良い質感で興味を引かれてたし、封切り後に観た人の感想も軒並み良好(是非とも3DIMAXで観るべきという言葉にも惹かれ)だったので、期待しまくって観に行った。

まずは、公平に言って面白かったと思う。観終わった後の満腹感は、2:40の上映時間の通りたっぷりだし、映像に関してはやはり次の時代の物を見せられた。3D映像が単なる目的で終わらず、何かを表現する手段であるというレベルには充分到達していると感じた。

だから、だからこそ内容(ストーリー)にも新時代(少なくとも現時代)を感じさせてくれる何かが欲しかった!!

途中までは、物凄く良い物語になるんじゃないかという期待を抱かせる展開だった。ナヴィ族という異形のもの(絶妙に気持ち悪さを残した造形だと思った)に自然に観客が感情移入して行き、そして地球人の圧倒的な武力によって蹂躙される様は3Dの臨場感もあいまって現代のゲルニカと呼べるんじゃないかというくらい圧倒的な表現をしてたし、西洋によって駆逐されてきた先住民や民族といやがおうにも重なって、「おう! この視点はええやんか!」と僕も前のめりになった。虐げられている側の視点を臨場感溢れる映像で表現していることから、文化や、過去の遺恨を超える許容、理解の物語になるのではと、(まあ勝手に)期待してしまったのだ。

でも、最終的にはナヴィ側が地球人側を目には目を、歯には歯をの論理でやりかえしちゃうんだよなあ。一応流れとしては、主人公もナヴィ側につく訳だし、観客としてはナヴィ側に感情移入すべきなんだろうけど、3Dの臨場感で次々に地球人が死んでいく様は、「ひゃっほう! やれやれー!」とは、なられへんよ。今主人公が殺した雑魚の地球人にもきっと家族があるのよー!とか思ってしまうと、スクリーンに入り込めない。最後、地球人側の悪ボスである大佐を、悪代官並の大往生でわるく描きまくってなんとかカタルシスを感じさせようとしても、ちょっと乗り切れない。

一番典型的な物語の類型が勧善懲悪だとしたら、この物語はそうではなく、それぞれに文化があり、正義があるっていう、まあガンダムみたいな感じだと思うんだけど、それだとけっきょく争いは避けられない、人間の業のやるせなさ…みたいな結論になって、そういうのってもはや古いのではと思う。ナヴィ=先住民を地球人バージョンに置き換えると一つの例としてはネイティブアメリカンが西洋の侵略を撃退した!みたいな話になると思うんだけど、そんなの今更言ったって遅いじゃん!とも。ハリウッド映画で、やられたらやりかえす的な連鎖を断ち切って見せてくれたクリントイーストウッドのグラントリノみたいに、もう一個抽象度の高い物語を見せてくれれば、僕が(途中から勝手に)期待した受容と理解の物語になれば、映像、メッセージともに新時代の娯楽映画になれたのでは、と思うのです。

まあ、それだとスカッとしないのかもしれないね。でもあの映像美で充分スカッとするでしょ。しかし情報量を倍(右目用と左目用)にしただけで、あの臨場感は、3D恐るべしですな。あんまりあんまり前の方の席だと酔っちゃう人もいそうだけど。